柳沢慎吾さんと言えば、
芸人並みの数々の鉄板ネタを持つ器用な俳優さんですね。
実は素人時代からお笑いコンビ『てっちゃんしんちゃん』を組んで、
『TVジョッキー』などに出演した経歴があります。
そんな柳沢慎吾さんは、
大御所俳優・若山富三郎さんと交流があったといいます。
若山富三郎さんと云えば、昭和を代表する時代劇のスターで、
殺陣の名人としても有名な方でした。
今回は、そんな柳沢さんと若山さんのエピソードについてご紹介します。
では、
『柳沢慎吾と若山富三郎は仲良し?』
『お風呂や撮影現場の修羅場があった?』
について、どうぞ最後までお付き合いください。
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柳沢慎吾と若山富三郎は仲良し?どんな関係?
若山富三郎さんとの数々の裏話で笑いを獲っている柳沢慎吾さん。
二人の間にどんな交流があったのでしょうか?
まずは、お二人のプロフィールからどうぞ。
柳沢慎吾のプロフィール
- 名前:柳沢 慎吾(やなぎさわ しんご)
- 生年月日:1962年3月6日
- 職業:タレント、俳優
- 出身:神奈川県小田原市
- 学歴:立花学園松田高等学校卒業
- 血液型:AB型
- 身長:165cm
柳沢慎吾さんがが芸能界へ入ったきっかけは1978年、
『ぎんざNOW!』の「素人コメディアン道場」で
第19代チャンピオンになったこと。
同コーナーからは関根勤さんや竹中直人さんらもデビューしています。
その後、1979年にドラマ『3年B組金八先生』にチョイ役出演を皮切りに、
ドラマ版の『翔んだカップル』に出演。
『翔んだライバル』では主演と、
俳優として順調にステップアップしていきます。
そして1983年、柳沢さんの代表作とも言える
『ふぞろいの林檎たち』で一躍、知名度を上げました。
同作で三流大学の学生役を演じ、
完全に三枚目の役者としてのポジションを確立しました。
また、バラエティ番組でも、
「ひとり甲子園」や「ひとり警視庁24時」などのネタを披露。
一発フレーズ「あばよ!」は今も健在!
その愛すべきキャラクターで今も大活躍されている俳優さんですね。
続いて若山富三郎さんのプロフィールをどうぞ。
若山富三郎のプロフィール
- 名前:若山 富三郎(わかやま とみさぶろう)
- 生年月日:1929年〈昭和4年〉9月1日
- 没年:1992年〈平成4年〉4月2日
- 職業:俳優・歌手・テレビドラマ監督
- 出身:東京府東京市深川区(現・東京都江東区)
- 弟:勝新太郎
映画・テレビドラマ・演劇で幅広い役柄を演じ、
特に殺陣に関しては当代随一の名手
と評された昭和を代表する映画スター。
幼少の頃より弟の勝新太郎さんと共に
父親のもとで長唄の修行を始めますが、
旧制日大三中在学中は1年生を3回落第するほど素行に問題があったそうです。
しかし一方では柔道に熱中して師範(伍段)を目指していたといいます。
1955年に新東宝から映画デビュー。時代劇を中心に活躍されます。
以後、白塗りの二枚目から三枚目、
悪役、豪放なアクション・殺陣と、
幅広いタイプの役柄を演じました。
またその人物像は、
親分肌で、「若山組」と称して、
気に入った役者やスタッフらを取り巻きとして引き連れて、
非礼な相手、気に食わない相手に対しては極めて暴力的だったそうです。
格下の相手からは「若山さん」ではなく、
「若山先生」と呼ばれない限り、返事もしなかったといいます。
弱い立場の人に対してだけでなく、撮影スタッフや監督、
会社幹部にまで暴力をふるうことがあったため、
業界ではかなり恐れられていたというのは有名な話です。
今では考えられないくらいの”上にも下にも”パワハラ俳優だったようです。
自身の結婚式には山口組の3代目組長が列席するほど、
黒い交際も堂々と公開しています。
今では一発レッドカードですが、当時はそうゆう時代だったんですね。
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柳沢慎吾と若山富三郎は仲良し?
そんな二人は、年齢も、生い立ちも
バックボーンも世界があまりに違いすぎます。
笑福亭鶴瓶さんと柳沢慎吾さんの対談のなかでも、
鶴瓶さんの「若山 富三郎さんに会ったことがない」との発言に、
柳沢慎吾さんは「僕はあったことがありますよ」と返しています。
その会ったことがあるというのはドラマでの共演だと思われますが、
実は二人は仲良くしていたそうです。
柳沢さんは若山さんと、とても良好な関係だったといいます。
柳沢さんの実家には、
若山さんに肩を組まれて撮ったスナップ写真を
引き延ばしたパネルが飾られているとの事です。
面倒見の良い親分肌の若山さんと、
人懐っこい性格で懐に飛び込んでいく柳沢さんの二人。
いくら育った環境が違い過ぎても仲良くなるのは必然なのでしょうか?
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柳沢慎吾と若山富三郎のお風呂修羅場とは?
柳沢慎吾さんが若山富三郎さんと初共演したのが、1990年。
若山さんが、「遠山の金さん 第3シリーズ」の
第3話「怪盗の顔を見た!」にゲスト出演された時の事です。
この作品では、当時26歳の柳沢慎吾さんが、
同心・間半平役でレギュラー出演されていました。
ところが、その初共演での撮影時、
若山さんと監督の松尾さんとの間でひと悶着以上のトラブルががあり、
その日の撮影が中止となってしまいました。
もちろんそのトラブルには、柳沢さんも巻き込まれているのですが….。
※詳細は次のセクションをお読みくださいませ。
結局この日の撮影は中止となった為、
柳沢慎吾さんは帰京するため風呂に入ろうとしました。
スタッフから
「俳優会館3階にある浴室が2か所空いているから、右側を使って良い」
と勧められたので、柳沢さんは言われた通り右側の浴室を使用したそうです。
しかしその浴室は先に若山さんが使用しており、
戻ってきた若山さんに見つかりそうになります。
焦った柳沢さんは、慌てて半裸のまま1階の大部屋用大浴場に逃げ込みます。
しかし、廊下の水滴を辿って後を追ってきた若山さんに踏み込まれます。
若山さんかなりの執念深さですね!
当時、周囲の役者さん達の機転と、
とっさに浴槽の湯に潜ったことで事なきを得たんだそうです。
帰京する新幹線の車中で、
柳沢さんは極度の緊張と恐怖から解放され「爆睡」したとか、
しなかったとか……。
若山さんとの初共演、柳沢さんは散々な目にあったようですね。
でも、この出会いがあったからこそ、あの若山富三郎ネタが誕生したと思えば、
さぞや、柳沢さんも感慨深いのではないでしょうか?
では次のセクションでは、
その柳沢さんと若山さんの初共演時の修羅場エピソードを紹介いたします。
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柳沢慎吾と若山富三郎の撮影にまつわる修羅場とは?
柳沢慎吾さんは、若かりし頃、
思いもかけず大御所俳優・若山富三郎さんを激怒させてしまいました。
それは、上記のエピソードと同じ、
1990年の若山さんが、「遠山の金さん 第3シリーズ」の
第3話「怪盗の顔を見た!」にゲスト出演された時の事です。
この作品では、松方弘樹さんが主演を務め、
先述しましたが、当時26歳の柳沢慎吾さんが、
同心・間半平役でレギュラー出演されていました。
つまようじをくわえたまま「ちーっす」と挨拶
柳沢慎吾さんは、「東映京都撮影所」内の食堂で食事を終え、食堂から出たところで、
5~6人の取り巻きを引き連れた若山富三郎さんとすれ違ったそうです。
ただ、その時、柳沢さんは、若山さんとは分からず、
「遠山の金さん」で共演することになった若山富三郎さんに、
つまようじをくわえたまま、
「ちーっす」と礼儀を欠いた挨拶をしてしまい、立ち去ったのだそうです。
その時の様子を柳沢慎吾さんは、こう語っています。
僕は(満面の笑みで)チィーッス! って言ったの。そしたら(かすれた声で)『おうっ!(無礼な振る舞いに怒り、震えながら指をさす)』っていうから、僕、もう一回チィーッス!」って言ったの(笑)
若山さんは、そんな柳沢さんの態度に、激怒で身体が震えていたとか!
信じられないといった表情で口をパクパクさせた若山さんは
あの野郎、後で俺の部屋ぁ来いって言っとけ!
と、スタッフに指示。
柳沢さんを「東映京都撮影所」俳優会館内の自分の楽屋(特別室)に呼び出しました。
実は、若山さんと居合わせた場合には、
以下のような暗黙のルールがあったそうです。
- 座っていれば必ず立ち上がる。
- すれ違った時は必ず立ち止まって「若山先生、おはようございます!」と声をかけて最敬礼する。
- 共演する場合は撮影開始前に必ず若山さんの楽屋に挨拶に行く。
- 遅刻厳禁。
しかし柳沢さんは誰からも教えて貰って無く、知らなかったのだそうです。
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大御所からの無言の圧力に柳沢慎吾は?
こうして、柳沢さんは、若山さんの部屋を訪れる事に。
そこには、「東映」関係者が10人ほど立っていたそうで、
中に通された柳沢さんは、
はじめまして、松方弘樹さん主演の「遠山の金さん」で、間半平役の同心の役をやります柳沢慎吾と申します。よろしくお願いします。
と、ビビりながらも、つくり笑顔で若山さんに挨拶します。
しかし、若山さんは、無言で柳沢さんをガン見。
しばらく、引きつった笑顔のままでいる柳沢さんを、
若山さんが無言でガン見している状態が続きます。
そんな柳沢さんは、
(もういいかな)とそろそろとドアに向かって歩き始めると、
やなぎざわしんご~
と、低いガラガラ声で呼び止められ、
こっち来て座れよ、座れよ
と、指示されたそうです。
柳沢さんは、急いで戻り、若山さんの前にひざまづいたそうですが、
若山さんはそんな柳沢さんを再びじーっとガン見。
すると、またしても、何の会話もなく無言の状態がしばらく続いたそうです。
そこに、主演の松方弘樹さんが飛び込んで来て、
富兄い、今、俺と一緒に「金さん」やってる柳沢慎吾って若い奴だから…
と、間を取り持とうとしてくれると、
若山さんは、
…知ってるよ。だから俺ぁ、今、シンゴと話してたんじゃねぇか
(※何も話してません)
と、言われたそうです。
その場は、松方さんの助け舟で、
若山さんの怒りも一旦は収まったのだそうですが、
柳沢さんにしてみれば、
大御所に無言の圧力をかけられて”冷や汗たらたら”だったでしょね!
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監督と大御所の板挟みで柳沢慎吾は?
さらに撮影時、柳沢さんが若山さんに、
「じじいすっこんでろ!」という台本のセリフがあったそうですが、
慎吾ちゃん、”ジジィ”の前に「クソ」を付けて
と監督の松尾さんから、まさかの指示。
これには、柳沢さんは渋ったそうですが、
それでも、結局「うるせぇ、このクソジジィ!」
のセリフで撮影は進行したそうです。
うるせぇ、この”クソ”ジジィ!てめぇは黙ってろ!
に変ったことに気付いた若山さんは、
おい、ヤナギザワシンゴ! おめぇ今何て言った!? 台詞が2つばかり増えてなかったか!?
と柳沢さんを叱責したそうです。
若山さんに詰められた、柳沢さんは、
い、いや、違います。これは松尾監督の指示で…
と、狼狽しながら答えると、
若山さんは、
松尾、てめぇこっち来い! この野郎!!
と、今度は松尾さんに向かって激怒し、結局この日の撮影は中止となります。
そして、柳沢さんは引き続きお風呂場への修羅場へと続くのでした。
実は、この話には前段があって、このシーンの撮影の前、
松尾監督と若山さんの間で、
同心役の柳沢さんが刀を左右どっちの手で持つかで揉めに揉めていたそうです。
そんな件もあったので、監督としては
うるせぇ、この”クソ”ジジィ!てめぇは黙ってろ!
と柳沢さんのセリフを介して放った、
若山さんにぶつけた松尾監督の”心の雄叫び”だったのでしょうね!
板挟みになった、柳沢さんは生きた心地がしなかった事でしょうね!
こうして柳沢慎吾のネタは誕生した【動画あり】
その後、柳沢慎吾さんは、楽屋での一部始終や、
その後の撮影での若山富三郎の剣幕を漫談のネタにして、
若山富三郎さんのものまねが面白すぎると数々の番組でリクエストされるようになりました。
柳沢慎吾さんが表現する若山富三郎さんは、
常に「ヤナギサワシンゴ~!」と低音のガラガラ声で唸り、
かなりデフォルメ気味なのですが、柳沢慎吾さんのテンポと描写が痛快です。
https://youtu.be/otB0BNICxbU
[quads id=4]
まとめ
今回は柳沢慎吾さんと、大御所俳優・若山富三郎さんとの関係性についてまとめてみました。
如何だったでしょうか?
今後も柳沢慎吾さんの活躍から目が離せませんね。
若山富三郎さんも天国から見守ってくださっている事でしょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。